製品番号:64-020
易熱性エンテロトキシン(LT; heat Labile Toxin) は、毒素病原性大腸菌 (ETEC) が産生し、60℃ 10分の加熱で失活する毒素タンパク質である。LTはコレラ毒素 (CT) に類似し、LTとCTのアミノ酸の相同性は約80 %で、Aサブユニット1分子と、Bサブユニット5分子からなる複合体である。LTはアデニル酸シクラーゼを持続的に活性化し、上昇したcAMPが腸管の絨毛細胞のNa+の吸収を阻害し、絨毛、クリプト細胞でCl--の分泌を促進して下痢を発症させると考えられているが、不確定な部分は多く残されている。また、粘膜アジュバントとしても注目されている。Aサブユニットはアミノ酸1~18のシグナルペプチドを持ち、成熟型は19~258アミノ酸よりなる。Bサブユニットは1~21のシグナルペプチドをもち、成熟型は22~124アミノ酸になる。
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